アルゼンチン

死を覚悟した日。-続編-

 

 

こんにちはっ!

 

本日は、
死を覚悟した日。-続編- ・・笑

 

 

 

早々に、下山を決めた私たちは

ある光景を見て、
愕然とします。

 

 

 

それは・・

 

 

 

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さっき、まさに通って来た場所なんですが

実は私、期待してたんです。

 

 

 

 

太陽さえ出てしまえばこの氷は溶ける・・。

 

 

 

 

だから、

登る!と覚悟した、
というのもあります。

 

 

登りよりも
下りの方が

この氷じゃ、
断然キツイのわかってましたから。。

 

 

 

でも、まさかの
太陽、ほとんど出ずの展開。。

 

しかも、

寒さに耐えられず
早々に下りてきた私たち。

 

 

 

氷が溶けているはずがなかった・・。

 

 

 

さっきと比べて
違うことと言えば、

 

太陽が昇ったことで
寒さが少し和らいだのと、

ちょっと下りて来たので
風もだいぶおさまったこと。

 

 

 

あとは、
視界良好になったこと!笑

 

 

 

登ってきたときはヘッドライトで
照らされてる部分しか氷の張っている場所が、見えなかったんですが

下りは

 

どれだけ厚い氷が張っているか、
どこまで氷で覆われているのか、

 

ハッキリ見えるので
逆にしんどかったです!!笑

 

 

 

 

ここを過ぎれば、氷ゾーンは終わる・・
あそこまで行けば、もう氷はない・・

 

そう願いながら、
ちょっとずつクリアしてきた登り。

 

 

 

でも、
下りは・・

 

 

山の上から、
氷がどこまで続いているか

丸見え!!

 

 

 

というか、終わりが見えない。。

 

 

 

『あそこまで、氷だよ。。』

 

 

 

見ないふりしながらも
とにかく下りる。

 

 

 

おしりで滑った方が早いんじゃないか?

 

 

 

 

そんな風に思うも、

そのまま崖の下に
滑り落ちて行くくらい危ない。笑

 

 

登りは、手をついて這いつくばれたけど
下りは手をついても、なかなか下れない。

 

 

 

でもね、
このときこそ

 

選択肢はなかったんです。

 

 

 

 

だって、下りるしかないんです。

生きて帰るには。

 

 

 

何度も転んでは
尻餅をついて。

ようやく氷ゾーンも終わったか・・と思いきや
また長ーい氷ゾーンが出てきたり。

 

 

 

本当にね、
大袈裟ではなく、本当に

 

 

 

死んだ方が楽なんじゃないか

 

 

 

と、思いました。

 

 

 

 

 

それでも私たちは下りていきます。

 

 

 

 

何度も思いました。

 

るーさんが滑って
岩に頭ぶつけて

血でも流す重症状態になったら・・って。

 

 

 

 

ずっと頭の中でイメトレしてました。

 

 

まずは、応急処置だ。
傷口を圧迫して血を止めて・・

どうやって運ぼう・・
動かせない状態だったらどうしよう・・

 

私だけ走って下山して、助けを求めに行くしかないか・・

 

 

 

大丈夫。

るーさん、安心して!

 

 

私は君を助ける!!!

 

 

 

と、

最悪の展開を
ずっと頭で考えていました。

 

 

 

後から聞いたら
るーさんも

同じようなこと思ってたって。笑

 

 

 

 

合格。

 

 

 

 

そして

だいぶ下りて来たところで
私の膝は、限界を迎えました。

 

 

私は左足に古傷があって
過去3回、手術しているんですが

全部学生の頃だったので
大人になった今

成長と伴に
その古傷がまた痛み出してきていました。

 

 

 

それなのに、選んだ職業は
インストラクター。

 

体を動かしてなんぼの世界。

 

 

 

ある時

歩くのも激痛で、耐えられなくなり
病院へ行きました。

 

 

その時言われたのが
『変形性なんちゃら。』←忘れた。笑

 

 

 

20代の膝じゃない。
おばあちゃんの膝。

 

 

 

軟骨がもう擦り減っちゃってる。

 

手術、という選択もありましたが
仕事休めないし、

と、また悪循環を繰り返すのでした。

 

 

 

 

実は、バックパック移動をしていた時も

膝に水が溜まっていたのか
しゃがむ事も出来ないくらい、膝を曲げられませんでした。

 

階段なんか、もちろん激痛。

 

 

 

なんせ

子ども一人背負って
移動しているようなものでしたので。笑

 

だから、
コロコロにまた戻った、っていうのもあります。

 

 

 

それくらい、私
膝が弱いんですが

この下山のとき、
ピークにやばかった。。

 

 

 

膝のガクガク具合が、
今まで例をみないくらいでした。

 

 

屈伸するたび激痛。

 

 

ももの筋肉も
もう悲鳴を上げています。

 

 

 

あぁ、

諦める、という勇気も必要だったな。

 

 

 

 

と、一瞬頭をよぎるも
そんな事言ってられない。

 

 

生きて帰らなきゃ。

 

 

 

と、また氷の上を
必死に歩きます。

 

 

 

もう何時間歩いたでしょうか。

ようやく見えてきた
土の道路。

 

 

 

『助かった・・・。』

 

 

 

 

私たちは勝利を確信しました。
勝ったぞ!!

自分に負けなかった!!

 

 

 

 

やっぱり神様は

乗り越えられない試練は与えない!!

 

 

 

 

行きは暗闇で見えなかった風景を見ながら

まだ震えている膝を押さえ、
テントまで歩いて行きます。

 

 

もうこれで、死ぬことはないし
コケなくて済むね(´;ω;`)

 

 

 

そう話した数分後
るーさんは

 

 

 

ぬかるんだ泥水に足を取られ

 

 

 

今日一番のコケをしていました。

 

何でそこで・・。。

 

 

 

 

 

最後の最後に
泥だらけになったるーさん。

苦笑いしか出来ませんでした。。まったく・・笑

 

 

 

 

 

そして

やっとの思いで
テントに着き、

倒れるように床に座り
あったかいスープを作って、一口・・

 

 

『生きててよかった・・』

 

 

 

おいしいと感じる事にありがとう。
あたたかさを感じる事にありがとう。
これからもまた、生きていける事にありがとう。

 

 

 

大袈裟かもしれないけど
本当にそう感じました。

 

 

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おばあちゃんみたい。笑

 

 

 

 

 

1時間ほど休憩して
私たちはまた

重い荷物を持って
来た道を帰ります。

 

 

 

正直、

ここからまた数時間か・・

 

 

と、心折れそうになりましたが
30分おきに先頭を交代したり

 

最後は

 

ドリカムの『晴れたらいいね』
を全力で歌いながら

やっと、街が見えるところまで来ました。
木の隙間から
街が見えたときは、

 

 

 

この旅、一番の感動だったかもしれません。

 

 

 

 

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そして、念願の・・

 

 

 

 

ゴーーーーーーール!!
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さすがにこの時ばかりは
手をとって喜び合いました。

 

 

 

 

そして、宿に戻り

全身筋肉痛の体を
少しだけ休めます。

 

 

寝てしまうと、
生活リズムが狂うから、と

まだ完全に
回復していない体にムチを打ち

夜ご飯の食材を買いに行くことに。

 

 

 

 

外に出ると
宿で飼っている羊が野放しに・・

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散歩タイムなのかな?

 

と、可愛いから
写メを撮っていたら・・

 

 

 

 

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え、

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え?

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マジ?

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ドンっっっ!!!!

 

 

 

 

 

羊にタックルされました。

しかも3回。

 

 

 

慌てて宿のスタッフが
助けてくれたけど、

その間横で
唖然と立ち尽くしていたるーさん。

 

 

 

『なんで助けてくれなかったの!!?』

 

 

 

『いや、こんな事ってあるんやな。まさか襲ってくると思わんくて・・4回目いったら、助けようと思ってんで?』

 

 

 

 

いや。。

 

 

 

遅いわ。

2回目あたりでヤバイと思え。

 

 

 

 

フィッツロイのトレッキングで
固く結ばれた信頼関係が

あっけなく崩れてゆく瞬間でした・・

 

 

 

 

 

 

こうして、
無事、生きて帰れた私たち。

 

こんな思いまでして
黄金どころか、フィッツロイのシルエットすら見えなかった私たち。

 

 

 

でも、不思議なことに、

何も後悔してない。

 

 

 

生きて帰れたからこそ
言えることだけど

チャレンジしてよかった。

 

 

 

 

 

涙流すほどの景色は
また今度にとっておこう。

 

 

 

フィッツロイ以外でね。

 

二度と来るか!!笑

もうこんな経験、二度とごめんだね!!笑

 

 

 

 

 

まぁ、
喉もと過ぎれば熱さ忘れる、と言いますから。。

 

10年後くらいにまた来ましょう。

 

 

 

 

なんて言ったって、
運がよかったら、

 

こんなすごい景色が見れるんですから・・

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shoさん勝手に借りました。笑

 

 

 

 

 

パノラマポイントまで
車でダイレクトに行ける道路が出来ていますように。

心から願っております。

 

 

 

 

そして次の日、

 

私たちは
一日中、ベットから起き上がることが出来ないのでした。

 

 

 

あー疲れた!!!

私を泣かせた、フィッツロイ!!!!

 

 

 

いつかリベンジしてやるーーー!!!

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めでたしめでたし♡

 

 

 

ではっ!